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システム導入/更新に向けた「稟議書」の書き方

  • February 13, 2024
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tmizukura
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カスタマーサクセスとして、皆様日常的にお客様の更新管理や、アップセル、クロスセルの機会に対応されていらっしゃるかと思います。

そのような更新やエクスパンションの際に、お客様から「稟議が必要になるので支援してほしい!」というご要望をいただいたことはありませんか?

マーケティング部門などでは、広告媒体やマーケティングツール、展示会等、新規で何かを購買したり契約することが日常的にあるので、稟議書を書いたことある方も多いかと思います。

しかし、カスタマーサクセス職だと、なかなか稟議書を書く機会がないという方も多いのではないでしょうか。

 

当記事では稟議書の基本的な書き方についてご紹介いたします🖍

 

稟議書とは?

 

稟議書とは、業務で必要となるサービスや物品の購入、様々な契約締結などの際、責任者や関係者から承認を得るための書類です。


起案者(主に現場担当者やプロジェクトリーダーなど)が稟議書を作成し、責任者(部門長や役員レベル)が稟議の対象のサービスや物品が「本当に業務に必要か?」を判断します。

承認者は複数名(最終承認者と社内の主要ステークホルダー)になる場合が多いので、なかなか稟議が通らず何度も稟議書を書き直したり、補足資料を提出したりするすケースは少なくありません。

稟議書で決裁を迅速に進めるためには、稟議書の読み手(承認者)が内容を瞬時に把握できるような書き方が求められます。

 

<ポイント>

  • 稟議書を書く際には、内容が「正確」「簡潔」であることを心がけましょう。
  • 責任者の意思決定に必要となる情報が明確に記載されていることが重要です。適切な情報具体的な根拠を提供することで、経営陣の理解と支持を得ることができるでしょう。

 

稟議書に必要な項目とポイント

 

皆様の会社でも既に稟議書の様式が決まっている場合が多いかと思いますので、事前に社内で稟議書の規定フォーマットの有無をご確認いただくことをお勧めします。

 

稟議書で記載が必要になるのは、以下のような項目があります。

 

①決裁区分

最終的な稟議結果を表示する欄です。「可決」「保留」「差戻し」「否決」などを決裁者が記載します。

 

②起案日・起案者名

起案者の名前、起案日を記載する欄です。

 

③承認欄

決裁者や承認者の名前、関係者が署名する欄です。決裁者のコメント欄を設ける場合もあります。

 

④件名

稟議の内容について簡潔な件名をつけます。(例:カスタマーサクセスシステムの導入について)

 

⑤概要

稟議書の概要を簡潔に記載します。

 

⑥稟議内容

何のために何がどのくらいいつまでに必要なのか等、稟議の詳細を記載する欄です。

稟議の目的背景理由メリットとデメリット、購入や契約の希望時期も明確に記載しましょう。
 

<ポイント>

  • 結論ファーストを意識して記載しましょう。(結論を書かずに、長々と説明を書いてしまうと、経営層からしたら「何が言いたいのかわからない」と思われてしまいます。)
  • 主観的な印象を与えないようにメリットデメリットの両方を記載し、客観的な判断に基づいていることを伝えましょう。
  • 読み手目線で文章を書き、承認者にとってわかりづらい専門用語の使用は避け、わかりやすい別の言葉に言い換えるようにしましょう。言い換えが難しい場合は注釈などで補足します。
  • 時期をいつにするかによって、予算やリソース都合での承認可否や、稟議回覧の優先度に影響が出る場合があります。
  • 具体的に詳しく説明したい!という重いから、直接関係のないデータや情報を入れたり、情報が多く詰め込みすぎないように心がけましょう。情報が多すぎると論点がわかりづらくなり、内容の把握が難しくなります。

 

⑧発注先、取引先

契約や購入する際の取引先がある場合に記載します。取引先の会社概要や所在地、資本金、社員数、既存契約有無など必要事項を記載します。

 

⑨想定リスクと対処法

想定されるリスクと、どのようにリスクを回避するかを明記します。

また、リスクがイシューへと発展してしまった場合の対応策があるのかも記載しましょう。

 

<ポイント>

  • 当稟議のシステム/物品を購入/契約しなければ「どんな問題や損失が起こり得るのか?」「当稟議を承認すると起こり得るリスクは何か」「それらは回避できるのか」など、先回りして提示&回答しておくことで、承認者も納得しやすくなります。

 

⑩費用と費用対効果(データで示す)

必要となる金額を記入する欄です。見積書などがあれば添付しておきましょう。システム導入の場合は、初期費用ランニングコストを明記します。

また、その費用をいつまでに回収するのか?費用対効果をデータで示します。ROIの目論見を具体的に記載しましょう。ここが具体的に書けないようであれば、稟議を申請しても却下されてしまう可能性が高くなります。申請者自身で、改めて導入/購入の意義をよくよく考えた方がいいでしょう。

 

<ポイント>

  • いかに、説得力のある内容で「コストを上回る効果が期待できること」を書けるかどうか?がポイントです。

 

カスタマーサクセスのシステム導入に向けた稟議書の書き方例

 

弊社のようなカスタマーサクセス業務向けのツールでもそうなのですが、何かしらのシステム導入には、経営陣への説得やリソースの確保など、多くの段階と手続きが必要となります。

以下に、カスタマーサクセスのツール導入に向けた稟議書の書き方をご案内します。

 

1. 目的と背景

稟議書の冒頭に、カスタマーサクセスのツール導入の目的と、その背景について明確に記述します。

なぜツール導入が必要であるのか、その理由や現状の問題点を説明しましょう。

 

<参考記事>

 

2. 期待される効果

ツール導入によって得られる具体的な効果やメリットについて詳細に説明します。経営陣に対して、ツール導入が必要であることと、その効果的な実施方法を提示しましょう。

期待される効果として、顧客満足度の向上、生産性の向上、効率化、競争力の強化など、具体的な成果を示します。

例えば、システム導入により創出された時間を活用することで、CSM1人あたりのカバー範囲の拡大や、プロアクティブな活用支援による製品活用率の向上、エクスパンション活動の強化によるNRR向上など、生産性が向上するなどがあるかと思います。

 

<参考記事>

 

3. ツールの選定

ツールの選定基準選定プロセスについて詳細に記述します。市場調査やデモンストレーション、ユーザーレビューなどを元に、なぜ選定したのかを説明しましょう。

自社チームの選定基準、優劣判断と合わせて、外部の客観的な評価も入れるようにしましょう。

 

<参考記事>

 

4. 導入計画

ツールの導入に向けた具体的な計画を提示します。

導入スケジュール、予算、リソースの確保方法、トレーニングやサポートの提供など、導入に関わる要素を適切に計画しましょう。

 

<参考記事>

 

5. リスクと課題

ツール導入に伴うリスクや課題を明示し、その予防策課題発生時の対策を示します。

コスト超過、互換性の問題、導入段階でのトラブルなど、潜在的なリスクを洗い出しましょう。

 

6. 費用とROIの評価

ツール導入の初期費用ランニングコスト投資対効果(ROI)を評価し、収益性を示します。

ROIの計算方法や導入後の予測データを使用して、経営陣に具体的な数値で効果を説明しましょう。

例えばカスタマーサクセスシステム導入のROIの場合は下記を説明するのが良いでしょう。

  • システム導入によってどのような収益貢献がもたらされるのか?
  • システム導入によってどれくらいの時間が削減できるのか?
  • 人件費に換算したときのコストメリット

 

<参考記事>

 

最後に

 

ここまで、稟議書の書き方についてサンプルをご紹介しました。

 

実際のところ、稟議が承認されるかどうか?は稟議書の内容だけで決まるものでもありません

稟議書は「起案者」と「承認者」という人と人とのコミュニケーションです。そのため、稟議書を書いた本人の熱意や、事前のネゴシエーションがあるとないとでは大きく差が出ます。

 

日頃から社内のステークホルダーとの関係性を大切にし(信頼関係の構築には時間がかかりますよね😅)、稟議を書く際には「稟議を通したい!」という起案者の熱意、稟議承認後の起案内容の「実現性」、その先の「利益」についてしっかりと伝えるようにしましょう。

 

ご参考になりましたら幸いです🙂

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