GainsightのLookupは、異なるオブジェクト間でデータを関連付け、必要なデータを検索、参照するために利用します。データベースの「参照」機能に似ていて、例えば「カンパニー」オブジェクト内の特定の項目(例えば顧客セグメント)を別のオブジェクト例えば「サポートチケット」と関連付けて情報を引き出すことができます。
チケットを例にすると、通常1社の顧客からは複数のお問い合わせが発生するため、「チケット」オブジェクトには、問い合わせごとのレコードを保存していきます。この時、どの会社からの問い合わせなのか判断できるようにチケットのレコードに「カンパニー」の「GSID」を持たせておき「カンパニーオブジェクトのGSIDフィールドにLookupの設定を付けておきます。
オブジェクトのフィールド設定はこのようにしておきます。
このLookupされたオブジェクト同士を使って、Gainsight内では一般的に主に以下の機能を利用できます。
- Reports and Dashboards: レポートやダッシュボードを作成する際に、分析したいオブジェクトのデータに対してLookupされたオブジェクトのデータをかけ合わせて分析することができるため、より深い洞察を得ることができます。
例えば、「カンパニーのCSセグメントごとのチケット数を割合で確認する」のように、Lookupされたカンパニーオブジェクトの好きなフィールドを使ってグルーピングを行いお問い合わせデータを分析することができるようになります。 - Rules Engine: Rules Engineを使用すると、特定の条件に基づいてデータを操作したり、アクションをトリガーしたりする際に、他のオブジェクトから情報を引き出すためにLookupを使用できます。
例えば、特定のCSセグメントの顧客からの問い合わせに対するチケットだけを抽出してスコアを判定する場合、Lookupされているカンパニーオブジェクトからフィールドを選択してフィルターを作成したり、カンパニーオブジェクトのフィールドをルール内に持ってくることができます。 - Customer 360: C360は、顧客に関連するあらゆる情報を一箇所で参照できるようになっています。一般的にはC360の表示フィールドとして利用したい情報は「カンパニー」オブジェクトにフィールドを作成してそれを利用しますが、管理上の都合でカンパニーオブジェクトと異なるオブジェクトでカンパニーの属性情報を管理したいとき、Lookupを利用することができます。
よく利用するのは、「CSM」や「営業担当者」など、会社の担当者情報です。カンパニーオブジェクトの標準フィールドには「CSM」があります。これはカンパニーオブジェクトからユーザーオブジェクトのGSIDをLookupして、この会社の担当CSMを紐づけられるようにしています。
カンパニーオブジェクトからLookupされたユーザーのフィールドは、C360での表示項目、検索条件の決定のときに利用することができます。
注意点としては、カンパニーからLookupしているオブジェクトのデータは1:1の関係である必要があります。例えばチケットの例では、1つの顧客には複数のお問い合わせが存在するため、カンパニー:チケットのデータは1:Nの関係になります。C360の1つのフィールドには1つの値しか表示することができないため(複数選択フィールドは除く)、1つのフィールドの表示値として複数あるデータを利用することはできません。このような場合はチケット一覧のレポートを作成してそれをC360のレポートウィジェットやタブで表示するようにします。
Lookupデータの作成方法や仕組み,制約などは、以下ドキュメントをご参照ください。