オンラインミーティングのサマリが自動的に作られ、該当するC360のタイムラインに記録される。
そんな便利な機能がAI Follow-upです。
議事録を書く手間が省けるだけでなく、誰とエンゲージできているかも自動的に記録され、タイムラインに記録されるということは、2025年5月にリリースされたCopilot、およびSlack AIで生成AIでの分析対象にもなります。
とても便利なAI Follow-upですが、設定(の準備)項目が複数あったり、ITチームの協力が必要な場合もあるため、こちらで手順をまとめました。
仕組みの概要
設定に入る前に、仕組みの概要を解説します。
サマリの作られ方
Gainsightでは、ミーティングの音声データから文字起こしをするのではなく、ミーティングツールの中で文字起こしされたテキストデータを取得し、それをAIを使ってサマライズしています。
サマリの作成には、Gainsightの製品であるStaicase AIのエンジンを使います。本記事のところどころにStaircaseが登場するのはそのためです。
カンパニーとの紐付け
該当するC360のタイムラインにサマリを記録するためには、オンラインミーティングを実施した際、そのミーティングがどの顧客とのミーティングだったのかを紐付ける必要があります。Gainsightでは、カレンダーと、参加者のメールドメインを活用して紐付けを行い、紐づいたミーティングのみ文字起こし情報を取り込みサマリを作成します。
具体的なひもづく条件は以下です。
- ミーティング前に、カレンダーでミーティングの招集がカンパニーの誰かに送られていること
- カレンダーで指定した日時にオンラインミーティングが開催されていること
- オンラインミーティングには、カレンダーの送付先と同じメールドメインの人が参加していること

「うちはカレンダー運用してないよ」という声を聞くこともありますが、その場合はぜひこれを機会に始められることをお勧めします! (カレンダーを使った自動日程調整や、オンラインミーティングのURL自動発行など、得られるメリットは多いはず)
連携設定前の準備
この後連携の解説をしますが、実際の設定時は、各ツールの管理者権限や、ツール自体の設定が必要になります。
- カレンダー連携
- (Googleカレンダーの場合)Google Workspaceの管理者
- (Microsoftカレンダーの場合)Microsoft Workspaceの管理者
- Zoom連携:
- Zoomの管理者権限。Gainsightの管理画面の中で、Zoomの管理者権限を持つユーザーの認証をする必要があるため、Gainsightの管理者にZoomの管理者権限を付与することを推奨します。
- Zoom Marketplaceにて、連携用のアプリをインストールできる状態である必要があります。Marketplaceの設定をご確認ください。
- Zoomのレコーディングおよび文字起こしオプションが必須です。Zoomの設定画面で、クラウドレコーディング及び文字起こしオプションがオンになっていることを確認してください。なお、設定画面に文字起こしオプションが現れていない場合は、①契約プランが対応していない②何らかの理由で非表示になっている、のどちらかもしくは両方が原因です。Zoomのテクニカルサポートに問い合わせてみてください。
- Google Meet連携
- Google Workspaceの管理者
📅カレンダーの連携
上記の通りの仕組みなので、カレンダーの連携と、オンラインミーティングの連携が必要になります。
まずはカレンダーの連携です。GoogleもしくはMicrosoftのメール・カレンダーの仕組みとの連携が前提となります。(Notes等他のサービスには対応しておりません🙇♂️)
Googleの場合
Googleのカレンダーを連携するためのステップは大きくは以下です。
① Google Workspaceにおけるユーザーグループの作成(特定)
② Google WorkspaceにGainsightのアプリをインストール
③ Gainsight上で連携ボタンをクリック
まずは①ですが、IT管理者に相談の上、「ミーティングを記録する対象のメンバー」で構成するユーザーグループをGoogle Workspace上に作成します。具体的にどういうメンバーを含めたら良いか、はこの後のFAQをご参照ください。
②は、こちらのリンクへアクセスし、GainsightアプリをGoogle Workspaceにインストールします(Google Workspaceのアドミン権限要)。
途中で以下のように、全体にインストールするのか、グループにインストールするのかの選択が出るので、①で作成したグループを選択してインストールします。

※ オンラインミーティングでGoogle Meetをお使いの場合は、このタイミングでGoogle Meet連携用のアプリのインストールも一緒に実施することをお勧めします。
③はまず、Gainsightの [Gainsight AI] 管理メニューを開き、AI Follow-Upが有効になっていることを確認します。

次にGainsightの[タイムライン] 管理メニューの[統合] タブへと進みます。左側にカレンダーアイコンがあるのでクリックし、Googleを選択して設定画面に入ります。

カレンダーアイコンがない場合は、この記事の最後のFAQをご参照ください。
設定画面に進み、Googleを選択してConnectボタンをクリックし、接続できればカレンダー設定は完了です。

簡単な操作動画もご参照ください。
注:Directoryの共有がオンになっている必要があります。

Microsoftの場合
Microsoftのカレンダーを連携するためのステップは以下です。
① Microsoft Workspace内のSecurity Groupを作成する
② GainsightからMicrosoftへ接続する
まず①ですが、IT管理者に依頼し、Microsoft Workspace内にSecurity Groupを作成します。

誰をSecurity Groupに含めるかはFAQをご参照ください。
①が完了したら、 Gainsightにログインし、Gainsightの [Gainsight AI] 管理メニューを開き、AI Follow-Upが有効になっていることを確認します。

次にGainsightの[タイムライン] 管理メニューの[統合] タブへと進みます。左側にカレンダーアイコンがあるのでクリックし、Microsoftを選択して設定画面に入ります。

カレンダーアイコンがない場合はまだエンハンスがリリースがされていませんのでリリースされるまでお待ちください。
その後設定画面に進み、Microsoftを選択してConnectボタンをクリックします。

簡単な操作動画もご参照ください。
また、PowerShellに以下を入力することで、グループにアクセスを制限していることを確認することができます。
New-ApplicationAccessPolicy -AppId "<Staircase_Entra_App_ID" -PolicyScopeGroupId "<Staircase_Group_ID" -AccessRight RestrictAccess
また以下のコマンドで、ユーザー単位でアクセスを確認できます。
Test-ApplicationAccessPolicy -AppId "<Staircase_Entra_App_ID" -Identity “<email_address_to_test>”
メールアドレス単位でGranted もしくはDeniedにて確認することができます。
カレンダーの設定は以上です。
💁🏻オンラインミーティングの連携
*この先へ進む前に、「サマリを日本語で作成する」という設定がGainsight社側で必要なため、Gainsight(日本)の担当にご連絡をお願いします。
Zoomの場合
Gainsightの[タイムライン] 管理メニューの[統合] タブへと進みZoomカードのConnectボタンをクリックします。
Zoom管理者権限のあるユーザー情報を入れてログインをします。

Authorizeをクリックし、StaircaseとZoomを接続します。これにより、Staircaseはオンラインミーティングとその文字起こし情報にアクセスできるようになり。

ここでエラーになる場合は以下を確認してください。
- 入力したZoomユーザー情報は、Zoom管理者権限が付与されているユーザーか
- Zoom のMarketplaceの設定で、アプリインストールをブロックする設定になっていないか
Google Meetの場合
Google Meet の場合はStaircaseAI for Google MeetというアプリをGoogle Workspaceにインストール(カレンダーの時と同様にユーザーグループを紐付け)し、その上でGainsight側でConnectのボタンを押すのみです。

FAQ
Q:カレンダー連携をする前(タイムラインの[統合] - カレンダーアイコンをクリック - Google/Microsoftを選択して[Configure Integration] をクリックするとエラーが発生する
A:AI Follow-upを使う場合、ユーザー情報のユーザー名とメールアドレスが同一である必要があるのですが、同一でない場合にこのエラーが出るケースが多いです。同一でない場合は、ユーザー管理にてユーザー名をメールアドレスに合わせてから再度実施してください。
Q:ミーティングに参加する人全員にカレンダーを送らないといけないの?
A:その必要はありません。カレンダー送付先のメールドメインと、ミーティング参加者のメールドメインが一致していればいいので、代表の方だけに送っていれば大丈夫ですし、送った方が不参加になり別の方が参加されていても大丈夫です。
Q:カレンダーで案内したミーティングのURLが変わっても大丈夫?
A:大丈夫です。ミーティングのURLは全く見ていません。上記の通り日時とメールドメインのみです。
Q:タイムライン管理の「統合」タブにカレンダーアイコンがありません。
A:あなたのGainsightユーザーアカウントがスーパーアドミンでない場合、権限付与が必要です。ユーザー管理で、GS Roleという項目でStaircase Adminにチェックを入れてください。再ログインが必要な場合があります。GS Roleという項目が見当たらない場合はCSMまでご連絡ください。
Q:Google/MicrosoftのWorkspaceで作るグループには誰を含めるべき?
A:その人が送受信するカレンダーと、オンラインミーティングの日時が一致したミーティング情報が連携されるため、ミーティングを連携したいメンバーを含めることになります。例えばCSMが参加するもののみであればCSMのみ含める、ということになります。ベストプラクティスとしては、カスタマーサポートや、営業と顧客の間のコミュニケーションも見える化できた方が良いので、顧客と接する人全員を含めることを推奨します。また、メンテナンスを考慮すると、異動のたびにグループの編集が不要なように、人事DBと連携する組織グループを活用することをお奨めします。