カスタマーサクセスに取り組む企業は増えていますが、カスタマーサクセスを始めるにあたって、見たことのない用語を目にして困惑される方も多いのではないでしょうか。
「カスタマーサクセス用語集」では、カスタマーサクセスに関する様々な用語をカテゴリー別でご紹介していきます。
今回は「カスタマーサクセスの提供モデル編」です。
カスタマーサクセスの提供手法
どの会社でもカスタマーサクセスの理念は基本的に共通していますが、カスタマーサクセスの提供方法は企業毎に異なります。
例えば、顧客数が100人で年間顧客単価が1億円の企業と、顧客数が600万人で年間顧客単価が1000円の企業では、同じやり方でカスタマーサクセスを運用するのは困難です。
そのため、顧客を階層に分けて、カスタマーサクセスの提供方法を変えていく必要があります。
カスタマーサクセスでは「ハイタッチ」「ロータッチ」「デジタルタッチ」という言葉がよく出てきます。これらは、顧客を階層に分けて、カスタマーサクセスを提供する方法(アプローチ)を変えるための考え方です。
ハイタッチ
ハイタッチは人手を介して1対1で対応していくアプローチです。3つの中で最も人手が必要ですが、費やしたコストは顧客が製品に対して支払う金額で元が取れるというモデルです。
ロータッチ
ロータッチのカスタマーサクセスモデルは、ハイタッチ(人)とデジタルタッチの混合です。
デジタルCS(デジタルタッチ)
デジタルを活用して適切なカスタマーサクセスを提供します。
ここで重要なのは「デジタル」は決して企業規模別の取り組みではなく、アプローチの1種ということです。ここで作成されたデジタルのコンテンツはどのセグメントでも活用することが可能です。
また、デジタルタッチと対比して、人が顧客と接点を持つことを「ヒューマンタッチ」と表現しています。デジタルタッチとヒューマンタッチをうまく組み合わせて顧客に対してより良い体験をより効率的に提供していくことを考えていくと良いでしょう。
時代は”デジタルファースト”、”デジタルCS”へ
弊社が提唱する「持続性ある成長戦略プレイブック」で、「デジタルによるスケールアップ」を取り上げていますが、企業が成長/拡大するにあたって、規模と効率性の観点からもデジタルの活用は重要なテーマです。
既に様々な企業のカスタマーサクセスの取り組みにおいてデジタルの活用が進み、複数のチャネルを併用してお客様とコミュニケーションを取るのが主流となっています。
そのため、最近では欧米を中心に「テックタッチ」という言葉はあまり使われなくなり、「デジタルファースト」「デジタルCS」という言葉が主流になっています。
従来ですと、テックタッチは「小規模顧客向けの取り組み」という認識が一般的でしたが、「デジタルは全てのお客様に対して活用」するチャネルですので、「デジタルCS」という表現が自然になってきました。
(皆様の会社でも、CSMによるハイタッチ顧客に対して、電話や対面の打合せだけでなく、メールやコミュニティサイトなど、デジタルチャネルも活用されているかと思います。)
そのため、ピラミッド図にするとこの様になります。
この例では3つに分けていますが、3つに分ける必要はありません。

上の図の「ハイタッチ」、「ミッドタッチ」、「ロータッチ」のセグメントは顧客との計画的なやり取りのタイプと頻度を定義するものです。また、全ての層において「デジタル」を活用します。
カスタマーサクセスが事業成長に直結する(NRRに貢献する)活動である以上、カスタマーサクセスは全てのお客様を対象としています。
全てのお客様に対応する上で、特定のチャネルだけを利用する訳ではありませんので、「デジタルファースト」で規模と効率性を担保しつつ、お客様の体験をさらに向上させるための取り組みに各社が取り組んでいます。
まとめ
本日はカスタマーサクセスの提供モデルに関する用語をご紹介しました。
今回、始めて「ハイタッチ」「ロータッチ」「デジタルタッチ」という言葉を目にした方でも、何となくイメージできるような情報をご提供できていれば幸いです。
また、最近は「テックタッチ」という言葉は使われなくなり「デジタルファースト」や「デジタルCS」が主流であることもご紹介いたしました。
今後もカスタマーサクセスに関する用語をご紹介していきますので、ご期待ください