KPIとアクションをつなげるための3つのポイント
カスタマーサクセスにおいて「データを見ること」自体が目的になってしまうケースは少なくありません。
ダッシュボードはあるけれど、結局その数字をどう使えばいいのかわからない😩
そんな悩みを感じたことはないでしょうか。
データでCS活動を管理する本来の目的はシンプルです。
各顧客が成果に向かっているのか、
組織としてビジネス目標達成に向かっているのか、
そして、そのために正しい活動がされているのかを把握すること
この記事では、その目的を実現するために必要な
「KPIとアクションをつなげる3つのポイント」をご紹介します。
KPIを正しく設計する
まず重要なのは、KPIが組織の目標と正しくつながっているかです。
よくある失敗として、
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数値は取れているが、何のためのKPIかわからない
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ヘルススコアや活動量は見ているが、ビジネス成果との関係が曖昧
といった状態があります。
KPI設計で確認したいポイントは以下です。
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組織に落ちてきている目標と連動しているか(例:NRR、解約率、アップセル率など)
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ヘルススコアが「成果への途中経過」を表しているか
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日々のCS活動(ミーティング、フォロー、アクション)が測定できているか
重要なのは、
「目標 → ヘルススコア → 活動」が一本の線でつながっている状態を作ることです。
これにより、
「なぜこの活動をしているのか」
「この顧客に今何をすべきなのか」
がデータを通して説明できるようになります。
ケイデンスを正しく組む
次に大切なのが、誰が・何を・どの頻度で見るのかを明確にすることです。
すべての人が同じKPI、同じダッシュボードを見る必要はありません。
レイヤー別に見るべきものを分ける
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現場(CSM)
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各顧客のヘルススコア、リスク、直近アクション
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日次・週次で確認し、すぐ行動につなげる
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マネージャー
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チーム全体のヘルス分布、活動量、成果指標
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週次・月次で確認し、優先順位や支援ポイントを判断
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経営層
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NRR、チャーン、成長に関わるサマリー指標
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月次・四半期で確認し、意思決定に活用
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「頻度」も設計の一部
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日次で見るべきもの
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週次で振り返るもの
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四半期で評価するもの
これらを整理することで、データが“監視”ではなく“行動を助けるもの”として機能し始めます。
設計されたKPIを元に定期的に振り返る
KPIは、振り返って初めて意味を持つものです。
特に重要なのが、定期的なビジネスレビュー(四半期レビューなど)の場です。
振り返りでは、以下の観点を必ずセットで扱います。
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良かった点
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数字が改善した要因は何か
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再現性のある成功パターンはあるか
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改善点
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想定通りにいかなかった指標は何か
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ボトルネックはどこにあったか
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次の四半期に向けたアクション
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KPIをどう変えるか
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どの活動を強化/見直すか
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ここで重要なのは、
「KPIの結果 → 仮説 → 次のアクション」まで落とし込むことです。
振り返りが「報告」で終わってしまうと、データはただの数字になってしまいます。
CSにおけるデータ活用のゴールは、「数字をきれいに並べること」ではありません。
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正しいKPIを設計し
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適切なケイデンスで確認し
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定期的に振り返り、次のアクションにつなげる
このサイクルを回し続けることで、データはCS活動を前に進める強力な武器になります。
KPIを見るたびに「だから次に何をするのか?」を自然に会話できる状態を目指していきましょう。